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Mr.Childrenを語り尽くす①-シングル編-

  • 執筆者の写真: おおうち
    おおうち
  • 2023年2月13日
  • 読了時間: 23分

 こんにちは!ついに待ちに待ったこの日がやってきました。今回は僕が愛して止まない日本を代表するロックバンド、Mr.Children(ミスチル)について語りたいと思います。語りたいことが多すぎるので全3回にわたって




①シングル編 

シングル(CDのみ。配信は除く)の中から10曲


②人気アルバム曲編10曲

全3枚のベストアルバムに収録された比較的知名度高めなアルバム曲から10曲


③アルバム曲10曲

ベストアルバムにも収録されていない、コアな曲から10曲



といった感じで語り尽くしていきたいと思います。数ある中から曲を選び、順位をつけたのですが、そう言いつつも思い出補正が入りまくってます。ですのであくまで一高校生の感想として気楽に見ていただけると助かります。じゃあまずミスチルというバンドについて軽くご紹介します。


左から皇帝、JEN、桜井さん、ナカケー。



Mr.Childrenは1992年にデビューし、昨年30周年を迎えたロックバンドです。メンバーは



桜井和寿(Gt.Vo.)

田原健一(Gt.)…通称 皇帝

中川敬輔(Ba.)…通称 ナカケー

鈴木英哉(Dr.)…通称 JEN



の4人です。通称で触れることの方が多いかも。30年間1人として欠けることなく活動してきました。カラオケで最も歌われた平成のアーティストであり、レコード大賞を2回受賞したアーティストであり、歴代3位のCD売上を誇るアーティストなわけですよ。すごい。



 あとは2015年までプロデューサーを務めたのがかの有名な小林武史。主にキーボードとかストリングスのアレンジを担当してました。レミオロメンの粉雪も、back numberのクリスマスソングも、一青窈のハナミズキもこの人がプロデュースした作品です。すごい人。




ランキングの前にミスチルの魅力について何点か軽く触れておきます。


・ボーカル桜井さんの声

 まずはこれ。甘〜い声からザラついたロックボイスまでなんでも出てくる。そして音域オバケでもあります。カラオケで歌えません。年代によって声質が大きく異なるのも聴いてて楽しいです。


・誰もが共感できる歌詞

ほぼ全ての歌詞を桜井さんが書いてますが、これほどリスナーに寄り添う歌詞を書けるアーティストは他に知りません。本人たちも「聴いてくれる人の人生のサウンドトラックスでありたい」と語っていましたが、暖かい歌詞が大きな魅力です。一方で文学的な歌詞や、突き放すような歌詞もあって飽きがこない。


・バンドの曲に貢献する姿勢

ミスチルって実はあんまりバンド感ありません。音楽通からあまり好かれないポイントはそこが大きいんだと思います。一時期はさっき触れたプロデューサー小林武史のピアノ、ストリングスが入りすぎていてバンドの音が全然聴こえなかったりもしました。しかし最近はまたバンド感のある曲が増えてきて、嬉しい限りです。曲のムードに合わせて一歩引いた演奏ができるというのは、僕はすごく好きなところです。


・曲の振れ幅

ミスチルといえばやっぱり甘いバラードを思い浮かべる人が多いと思います。実際それが彼らの1番の強みではあると思うんですが、アルバムに数曲は入っているロックな曲が見せてくれるギャップがほんとに好きです。だからこそ飽きない。約250という曲数の多さも相まって、いつ聴いても新鮮です。



…とまあ前置きはこれくらいにして早速ランキングの方に行ってみましょう!!!!シングル編です!



10.花 -Memento-Mori-(1996)

 いきなり大名曲出しちゃいましたね、花が10位なんて大丈夫?って声が聞こえてきそうですが、問題ありません。


 ミスチルといえばキラキラニコニコバンドのイメージが染み付いている昨今ですが、それに反してめちゃくちゃ渋い曲です。というのも発売時の1996年は桜井さんが病み散らかしてた所謂“深海期”。“ミスチル現象”とまで呼ばれた大ヒットの最中にありながら、ヒットシングル「Tommorrow never knows」や「シーソーゲーム〜勇敢な恋の歌〜」をあえて収録せず、全曲が渾然一体と繋がって暗い深海の中での絶望、苦悩、愛を表現したコンセプトアルバム、「深海(1996)」の先行シングルがこの曲なんです。このアルバムはまた別で紹介したいな。


↑一度は見たことないですか?このジャケット


 そんな時期に発売されただけあって、花もシンプルなバンド編成で演奏された、アコギ中心の渋い曲です。イントロ、Aメロと暗い雰囲気がサビになると一転してキャッチーな、頭に残るメロディーになります。ドラムはサビ前のフィルイン(テンテンテントカタンタンタカタン!)が美味しい。ベースもよく聴こえて渋いの弾いてます。でもやっぱりギターだろこの曲は。田原健一の代名詞、ボトルネック奏法による激渋ギターソロが炸裂します。渋い以外の言葉でこのソロを形容できない。

↑これ。


そんな暗い曲でありながら、歌詞は本当に力強い。


“負けないように

枯れないように

笑って咲く花になろう

ふと自分に迷う時は

風を集めて空に放つよ 今”


この“風をあつめて空に放つ”って多分深呼吸のこと言ってるんですよね。すっと周りの空気を吸い込んで、上を向いてふっーと息を放つ。で歌い出しが“ため息色した 通い慣れた道”。歌い出しは暗い曲調でどんよりため息ついてるけど、聴き終わった時には深呼吸して枯れない花になってるってことです、天才すぎだな。日常の小さなことでは収まらず、ふと自分にはどうしようもできない程の大きさの悩みに思い至ってしまった時、この曲を聴いて笑って咲く花になってます。前を向ける名曲です。ほんとに10位で大丈夫かな。



9.and I love you(2005)

 続いて2005年発売のEPから、and I love youです。これもアコギ主体の曲だな。桜井さんのアコギって何でこんなに最高なんだろう。この後の曲もアコギ曲ばっかです。これもまたシンプルな編成ですね。でこの曲もリドギターが美味しすぎる。ギタリストじゃないんでわからないんですけど、ギターのディレイ?って言うのかな、テレレテレレってなってて、、(無知ですみません)好きです。JENの感情爆発ドラムも健在。最初はアコギだけで、そこからエレキ、2番からリズム隊が段々加わってくのも良い。

 

 歌詞は何て言えば良いのかな、崇高って言葉が似合うかも。叙情的で全部載せたいくらい好きな歌詞なんですが、


“傷つけ合うためじゃなく

僕らは出会ったって

言い切れるかなぁ?

今わかる答えはひとつ

たった一つ

I love you

and I love you

and I love you…”


やっぱここ好き。クッセェ歌詞だなって思いましたか?僕も最近までは特段好きな歌でもなかったんですけど、ウクライナ侵攻が取り沙汰される昨今、平和って何だろう?とか愛ってなんだろう?とか考えるとこの曲に行き着きます。直接的な反戦表現はないですけど、色々と考えさせられる含みを持った曲です。


 で、なんと桜井さん、この曲を30分くらいで作っちゃったとか。もうね、怖いです。



8. End of the day(2012)

(MVなし)

 初めてこの曲を見た人もいるかも。この曲、2012年に発売されたトリプルA面シングル「祈り〜涙の軌道/End of the day/pieces」のうちの一曲なんですが、このシングル自体があんまり人気じゃない^^のと、やっぱり1曲目の『祈り』に知名度を持ってかれてファン以外にはあまり知られていないと思います。タイアップもなかったし。


 で、『祈り』もめちゃくちゃいい曲なんですが、この曲を紹介したいんです!!まずはアレンジですが、ね、やっぱりアコギが最高。桜井さんがもう兎に角かき鳴らしまくってて、シャカシャカシャカシャカです。田原さんギターもこの時期にしてはよく聴こえて嬉しいです。ベースもイントロから動きがあって楽しい。ドラムはラスサビ前のスネア連打がいかにもJENって感じ、笑顔で演奏してる姿が思い浮かびます。いつもながら小林武史のストリングスアレンジも美しく、時折入るハーモニカ(?)がいいアクセントです。瑞々しさがありつつも切なさも感じる曲。


 歌詞もいい歌詞。本当に昔から、それこそ小学生の時からずっと好きな曲なんですが(なのに8位、)受験期に差し掛かった今、一段と響く歌詞です。今日一日思うように行かなかったな、心残りがある日だったな、そんな日に一人自転車を漕ぎながらこの曲を聴いてると、気持ちを切り替えて頑張れます。特に好きなのはここ。いちばん最後です。


“無くしたものと

手にしたものを秤にかければ

きっと圧倒的に

前者に傾くと知ってる

でも明日は来るさ

寒い夜にだって終わりは来るさ

太陽は上り

どんな人の上にもまた新しい

暖かな光”


いいですよね。最後の最後に“どんな人の上にも”って。頑張ります。祈りも好きだよ!



7. HERO(2002)

 HEROはやばいよー、、この曲ね〜、「ザ・ミスチルのバラード」って感じ。歌詞も泣ける曲ですが、、誰かの憧れになろうなんて気は決してないけれど、それでもたった1人の愛する人にとってのヒーローでありたい、そういう曲です。大人になったらまた今とは違った意味で色々思うところがあるんだろうな〜と思います。恋人がいる人は恋人を想って、子供がいる人は子供を想って聞くんだろうな。特に好きなのはCメロです。


“残酷に過ぎる時間の中で

きっと十分に僕も大人になったんだ

悲しくはない 切なさもない

ただこうして繰り返されてきたことが

そうこうして繰り返していくことが

嬉しい 愛しい”


 ここね〜、歌のメロディーも同じのを“繰り返す”んですよね〜ほんとにこういうところがたまらない。誰かのことを想う行為が繰り返されてきたからこそ、今の自分達がいると、この時代だからこそ改めて実感します。


 あとはもう定番の話ですけど、桜井さん1番、2番のサビはファルセット(裏声)を交えながら歌ってます。で今触れたCメロを踏まえた上で、ラスサビはフル地声。この曲も例によってかなりキーが高いんですが、ラスサビでグワっ!と地声になることでそれまで弱気だった主人公の決意が見えるんですよね。表現力が爆発してます。。


 この曲が発売された2002年の後半、桜井さんは小脳梗塞になってしばらく活動休止をしていた時期がありました。この歌自体はそれ以前に書かれていたらしいですが、この歌の辺りから、今とは違い尖っていた彼らが段々今のイメージに近い、優しく暖かい雰囲気になっていった節目の曲であるようにも思います。ボーカルのレコーディングは桜井さんが退院した後に行われたのですが、復帰直後ということもあってラスサビ含めサビは全て裏声で録音する予定だったそうです。ところが本番になって突如桜井さんがラスサビで声を張り上げ、小林さんは泣きそうになったとか。


 個人的には裏で鳴っているストリングスが余りにも美しすぎて大大大好きなので、、そっちに注目して聴いてみるのもいいと思います。小林武史最高。B面の“空っ風の帰り道”もセットで聴くとより好きになれる曲です、知らなかった人は聴いてみて。



6.くるみ(2003)

 まずMVが良い。ミスチルの中で1番泣けるMVは絶対これです。見てください。


 家族と離れてしまったおじさんが、旧友たちとバンドを組んで熱唱するMVです。泣ける。

↑バンド名は“Mr.Adults”っていう小ネタ。でもこれも伏線になってるので見てください。


 生きている中で訪れる、避けられない別れと、そして出会いについて歌われてます。それでも、前に進もうっていう曲。特に好きなのは2番サビの歌詞。


“どこかで掛け違えてきて

気がつけば一つ余ったボタン

同じようにして誰かが

持て余したボタンホールに

出会うことで意味ができたならいい”


人と人の巡り合わせをこんなふうに表現できるなんて素敵です。

 

 小さい頃から聴いていた記憶が残っている曲の一つで、子供ながらにすごく好きな曲だった思い出があります。


 アレンジはこれまた小林武史の活躍がすごい。。。ピアノ、ストリングス、それにアコーディオン(多分)のアンサンブルが切ない雰囲気を醸し出してます。


 ライブでは殆ど毎回桜井さんがアコギを持って歌います。この曲も例に漏れずキーが高すぎるのでいつも半音下げで演奏されるのですが、このバージョンもまた良いんだ。この曲はラスサビで転調してキーが一つ上がるのですが、半音下げだとCD版より切ない雰囲気で始まり、転調した時に元の曲の1,2サビのキーに戻ってくるっていうのがたまらなくエモい。半音下げHANABIとかもそうですよね。


 去年の5月10日、デビュー30周年当日に東京ドームのセンターステージでこの曲をやってくれました。嬉しかったし、ラスサビで一回落とすアレンジも素敵だったなぁ。思い出です。



5. 口笛(2000)

 いやほんとミスチルって最高だな。口笛を嫌いな人はこの世にいないと思います。冬になると聴きたくなる、そんな曲です。



“あぁ

雨上がりの遠くの空に虹がかかったなら

戸惑いや不安など簡単に吹き飛ばせそうなのに

乾いた風に口笛は澄み渡っていく

まるで世界中を優しく包み込むように”



11月、12月くらいがよく似合う歌です。このこの曲を聞くと秋の傾いた太陽と乾いた空気が想い起こされます。


 個人的にはこの辺り(アルバムで言うとQとかIt’s a wonderful world)の桜井さんのボーカルは本当に唯一無二だと思います。ザラついた、気怠げな声で甘いバラードを歌うことでこれ以上ない大人な雰囲気を出してます、、、(でもライブになると今の方が歌上手いんですよね、最高か、、、)


 アレンジで言うとシンセの音感が好きすぎる。表で鳴ってる(ぱーぱーぱぱぱぱーぱぱぱー…)も良いけどその裏で鳴ってる(ふぁーふぁーふぁー…)もまた良い。あとはベースラインすき。いつもはピック派のナカケーも思わず指弾きしちゃう、そんな曲なわけですよ。ギターもまさに田原さんって感じの優しい音色でとにかく好き。Cメロで曲調が変わってグワっと思いが込み上げてくる表現もたまらないです。


 そして昨年のデビュー30周年を記念したツアー、「半世紀へのエントランス」。日産スタジアムで聴いてきましたよ口笛。本当に嬉しかった。夕方になって少し涼しい風が吹く中での口笛、最高だった。

※映像はヤンマースタジアム長居です。



4. 終わりなき旅(1998)

 ここで来ました。巷ではミスチル1の名曲と名高いこの曲です。一時期気持ちの悪いひねくれファンをしていた僕は、この曲を貶したこともありましたが、深く反省しています。名曲は名曲です。


 なぜこれほどまでに評価されているかって、やっぱり挑戦し続ける人の背中を押す歌詞ですよね。


“胸に抱え込んだ迷いが

プラスの力に変わるように

いつも今日だって僕らは動いてる

嫌なことばかりではないさ

さあ次の扉をノックしよう

もっと大きなはずの自分を探す

終わりなき旅”


 転調を繰り返し、熱が篭もっていく演奏の中で放たれる最後の歌詞は、20年以上多くの人を支えてきたと思います。この間のCDTVで見た新成人が選ぶ応援ソング的なのにも選ばれてました。世代を超えて共感される曲なんです。


 そう、やっぱりこの曲と言えば転調です。Cメロが終わると転調してキーが2つ上がり、最後の最後の大サビでまた転調して更にキーが2つ上がります。そして歌い出しやサビ入りでも転調し…というわけでなんとこの曲の転調は9回。どんな曲だよ。


 繰り返される転調の中、演奏も激しさを増し、リードギターなんかもうすごい。チョーキングを交えた激アツなオブリガードで暴れまくってます。ライブでここを弾く田原さんが大好きです。歌にも熱が入って、最後の方はもう叫んじゃってる。リズム隊は!堅実!でもライブ中の二人のアツい表情には痺れます。


 一説には元々ラスサビの高さで1番2番のサビも作られていたけれどあまりに高すぎるため4つキーを下げた結果、こんな複雑な曲になったそうです。偶然が生んだものだったとしてもこの重なる転調が終わりなき旅を名曲にしたのもまた事実です。ラスサビは1.2サビから4つもキーが高いわけですから、歌い出しが低いのに味を占めてこれをカラオケで歌うと、カンナみたいに命を削って歌うことになり、駆け抜けた道を振り返ることもできないでしょう。


 終わりなき旅は名言の宝庫です。国歌にしてほしい。よく取り上げられるところだと、



2番サビ

“難しく考え出すと

結局全てが嫌になって

そっとそっと逃げ出したくなるけど

高ければ高い壁の方が

登った時気持ち良いもんな

まだ限界だなんて認めちゃいないさ”



Cメロ

“時代は混乱し続けその代償を探す

人は辻褄を合わすように形にはまってく

誰の真似もすんな 君は君でいい

生きる為のレシピなんてない ないさ”



とか。本当にシンプルで誰でも理解できる歌詞ですけど、だからこそ響くものがあります。この数年間、何回この曲に救われたでしょう。。どんな時でも自分を奮い立たせてくれる名曲中の名曲。


 6月11日に参加した半世紀のエントランス・日産スタジアム公演では、なんとこの曲が一曲目でした。ミスチルってドーム・スタジアムツアーをやる時にセトリをドームとスタジアムで変えたりするんですね。で5月10日東京ドーム公演に参加した僕は余韻にぶちのめされてスタジアム公演にも申し込み、その初日の日産スタジアム公演に参加したわけです。ドームと同じOP映像が流れ、一曲目はなんだろうな〜と思ったらね!まさかの!!スクリーンに桜井さんのギター、ブルーフラワーが映り、終わりなき旅のイントロが流れた時、人生で1番鳥肌立ちました。もう周りみんな泣いてましたね。なんかもうカッコ良すぎて涙を通り越し、一人でゲラゲラ笑ってました。終わりなき旅はいつもライブ終盤の定番曲なのですが、まさかの一曲目という、、、僕が愛してやまない2004年のライブ作品シフクノオトTourを彷彿とさせるオープニングに、打ちのめされました。曲が終わり最後のコードをキーボードが弾く中でのMC、



“どんなものにも終わりはあるのだと、今は思います。でも、だからこそずっと!続いていくことを願って。だからこそ、今あるエネルギーの全てを、情熱の全てを音に変えて、声に変えて、今日。2022年6月11日、日産スタジアム!人生最高の音を、皆さんにお届けしたいと思います。最後までよろしく!僕らが、Mr.Childrenです。”



こんな感じだったかな。もう、やばいでしょ、これは。7万人が埋め尽くす日産スタジアムを、割れんばかりの拍手が包んでました。30年を迎え、老いを自覚した彼らが「終わりがある」という言葉を口にすると、ファンとしては少しドキッとする部分もあります。それでもこの決意表明のようなMC、もうこの感動は貧弱な語彙では表現しきれません。ライブ最高でした。本当。そんな素敵な思い出も相まって、この順位です。

 



3.足音〜Be Strong(2014)

 ここで来ました最近の曲。といってももう9年も前の曲ですか。。。最近はCDシングルをあまり出さないのでやむを得ないところではありますが、それまでの数ある名曲を押しのけて割と新しめの曲がこの順位です。


 ドラマ“信長協奏曲”の主題歌だった曲です。同世代の人なら聴いたことあると思う。



“夢見てた未来は

それほど離れちゃいない

また一歩 次の一歩

足音を踏み鳴らせ!

時には灯りのない

寂しい夜が来たって

この足音を聞いてる

誰かがきっといる”



 ね、、このシンプルすぎる歌詞。何も知らずに聴いてももちろん名曲ですが、ともすればありきたりな歌詞に思えるかもしれません。制作背景に触れながら曲を評価するのはあまり良くないことだとは承知の上で、、この曲についてちょっと語らせてください。


 1992年にデビューして以降、この曲が発売された2014年に至るまで、ミスチルの後ろには常にプロデューサー、小林武史の存在がありました。デビューしてから全ての曲に携わり、基本的にはキーボードやストリングスのアレンジ、たまに桜井さんと共に作詞曲に参加してました。そして2007年以降にはツアーにも帯同し、ライブアレンジも手掛けてました。


 はっきり言って小林武史は天才です。本当に。今まで紹介してきた曲や、その他彼が手がけた楽曲(backnumberの曲とかね)を聴いていただければ分かりますが、ミスチルどころか小林武史なしに今のJ-popは存在しえないし、また彼がいなければミスチルがこれほどの成功を収めることは絶対になかったと思います。ライブアレンジも天才的な完成度でした。盛り上げるアレンジだけではなく、メッセージ性や、コンセプトの部分でも。


 ですがライブに帯同するようになった2007年ごろから、ミスチルの作品から“バンド感”が失われていったのも事実です。具体的には『HOME』から『(an imitation)blood orange』の4作くらい。特にギター。有名どころで言うと「しるし」とか「365日」あたりが顕著ですが、田原さんのギターは聴こえづらいです(勿論聞こえますよ!あくまで相対的な話です)。それに対してストリングス、キーボードがかなりの主張をしています。2012.3年ごろの作品のコメント欄などを見ると、小林武史が出過ぎ、バンド感が薄いなどの当時のコメントも目立ちました。実際リアルタイムでそれを経験したファンの方たちも似たような事を感じていたようです。


 そんな中、この2014年発売のシングル「足音〜be strong」は初の、ミスチルによるセルフプロデュースの作品でした。つまり22年目にして、初めて小林武史が外れた制作体制で挑んだ曲だったんです。彼らの間に何があったかは分かりませんが、小林武史は以降ミスチルのプロデュースから外れ、当時の最新アルバム「Reflection」は小林武史プロデュースの曲と、セルフプロデュースの曲が半々になりました。そして以降、小林武史が関わったのは去年発売の『永遠』のみで、ミスチルは現在も基本的にはセルフプロデュースで作品を制作しています。


 そんな背景を踏まえた上で歌詞を見ると、色々と見えてくるものがあります。



“新しい靴を履いた日は

それだけで世界が違って見えた

昨日までと違った

自分の足音が どこか嬉しくて”



“舗装された道を選んで歩いていくだけ

そんな日々だけどもうやめたいんだ

今日はそんな気がしてる”



 長年活動を支えたプロデューサーから巣立ち、新たな一歩を踏み出すその決意が滲み出ています。…って言うのを踏まえて曲を聴くと、説得力がまた違う。22年というキャリアを持ちながらも新たな挑戦を続ける彼らに勇気づけられる、そんな曲です。


 演奏にもバンド感が戻ってきました。田原さんのギターが本当によく聴こえてきて、嬉しい。隠れがちだったベースも動き回っていて(Bメロからサビにかけて!最高!)、生き生きとしています。そんな中でもストリングスをうまく使い、小林武史的なアプローチも(バンドが聴こえる程度に)残した塩梅も素晴らしいです。


 足音が収録された『Reflection』も本当に名作で、実を言うと1番好きなアルバムでもあります。14曲に厳選された『Drip』と、23曲という曲数が詰め込まれた『Naked』の2形態で発売されました(どっちも配信で聞けます)。Nakedのみ収録の遊び心満載の曲たちも大好き。いずれアルバムはアルバムで語りたいです。


 色々話しましたが…そんなことは知らなくても!名曲には変わりないです。中学受験で落ち込んでた時期、この曲にいつも元気付けられていた記憶があります。小学生でも理解できるくらい普遍的な名曲です。


2. youthful days(2001)

 ガチ名曲。これ22年前の曲ですよ???ヤバすぎる。ミスチルほど大規模なバンドになると、ファン内で嫌いな曲というのも出てくるものですが、この曲嫌いな人は、いません。


 曲を通してアコギのリズムが気持ち良すぎる。踊るようなベースラインに加え、A-Bメロはタム回しで跳ねるリズムを刻みながら、サビで一転してシンプルなリズムを叩くことで疾走感マシマシのドラムなど、リズム隊も大活躍です。


 あとはギターね!ギター!田原健一のベストプレイはもうこの曲で決まりです。イントロから印象に残るリフを奏で、Aメロではクリーンなアルペジオを鳴らしますが、Bメロ(歪んだ景色に〜のとこ)ではバチバチなディストーションサウンドで雰囲気がガラッと変わります。でまたサビになった途端、ストリングスがふぁ〜とかかった分、ギターはさっと引いてまたアルペジオに徹すると。まさに職人技。。でまたCメロ(繋いだ手を〜)からラスサビ入りのところでディストーションからクリーンに転じることで、ラスサビの疾走感をさらに際立たせると。。


 やっぱりこの曲はギターが主役の曲だとは思いますけど、バンドのアンサンブルがばっちりハマってて本当にドンピシャな曲です。ストリングスもいい塩梅にかかってて理想的なバランスです。ほんとに最高。これ聴けばいつでもテンションMAX。


歌詞も曲名通りの爽やかです。



“胸の鐘の音を鳴らしてよ

切ないほどの抱擁とキスで

乾いた心を濡らしてよ

ただ二人でいられたらいい”



 若々しさ、瑞々しさ全開の歌詞なのに、所々に詩的な表現だったり、若さが持つ独特の危うさ、残酷さ、そんな部分も垣間見える。あとは例に漏れずこの時期の桜井さんの気だるげな声のおかげで、一癖も二癖もある曲になってます。まじで聞き飽きない。


 ライブもね、最高です。初披露時から必ず、追加イントロのアレンジがあります。イントロと同じコードをシンセ、あるいはアコギが弾いてるだけですがそれでもこのイントロが鳴った時の高揚感!やばかった。


 デビュー30周年当日(2022/5/10)のライブ映像がYouTubeで公開されてます。コロナ禍後、初のツアーで、そして自分が初めて行ったミスチルのライブでもあります。感動的な一曲目(これは次の回で絶対紹介します)で放心状態になってたところ、この曲のイントロが流れてきた時はもう失神するかと思った。



“覚えてますか?思い出した?この感じ!

みんなに会える『再会』の時を、ライブの『再開』を、首を長くして待ってました。さあこっから始めるよ!僕らがMr.Childrenです!カモン!!!!!!!!!”



って桜井さんに言われちゃった。MC一つとっても韻踏んじゃうとことかね、もう最高じゃん。というわけで思い出補正もバチコリかかって本当に好きな曲です。



1.GIFT(2008)

 シングル1位はこの曲です。昔からのファンにも、新しくファンになった人にも、それから今までミスチルに触れたことがない人にとっても普遍的な名曲だと思います。


 メロディは相変わらずキーが高すぎる(優しい名前をつけたなら〜の地声のとこキツすぎる)‼︎それでも全身全霊のこもった歌には心動かされます。本当に美しい旋律。


 アレンジもこの曲の温かい雰囲気を演出してます。アンサンブルとしてはキーボード、ストリングス強めです。小林武史って本当に天才だと思います。。JENの歌ってるかのような歌心のあるタム回しも至高。ベースはシンプルですがドラムに合ったリズムが弾いてて楽しい。でリードギター!!!本当にこの曲のリードギター大好きです。サビはコード弾きですがAメロBメロの控えめアルペジオからサビまで段々熱が篭っていくのが最適解すぎる。単体で聴いても泣けるフレーズです。YouTubeでリードギターの弾いてみた動画一生見てる。田原さんは最高のギタリストです。とにかくもう全ての要素がこの曲の優しい雰囲気を創り上げてます。


 2番サビから大サビにかけての歌詞が好きすぎるので載せます。



“果てしない旅路の果てに

選ばれるものとは誰?

たとえ僕じゃなくたって

それでもまだ走ってゆく

走ってゆくよ

降り注ぐ日差しがあって

だからこそ日陰もあって

その全てが意味を持って

互いを讃えているのなら

もうどんな場所にいても

光を感じれるよ

今君に贈るよ

気にいるかなぁ?受け取ってよ

君とだから探せたよ

僕の方こそありがとう”



 マジ、いい歌詞すぎ。ここに歌詞の全部を載せたいくらい、優しさと希望に溢れた温か〜〜〜い曲です。なんでもない時に聴いてても泣けてきます。元々は2008年北京オリンピックのテーマソングとして書かれた曲ですが、その枠を超えてどんな時も感動を与えてくれる不変の名曲です。順位を競う場であるオリンピックのテーマ曲なのに、順位を付けることだけでは決められない、全ての人に対する普遍的な愛を歌っちゃうんだもん。ほんと好き。クサいとか言ってる場合じゃありません。


 僕たちも競争社会を生きる中で、他人と比較されて、あらゆるところで順位をつけられます。抗うことのできない現実としてそれを受け入れるしかないんですが、ふとそれに疲れた瞬間にこの曲を聴くとまだまだ頑張ろうって思えます。きっと自分にも輝ける場所があると思えます。ほんとにこの曲のおかげで生きてる。


 ライブでは毎回大サビの後に恒例の歌詞追加アレンジがされます。



“君から僕へ 僕から君へ

最高のgiftをどうもありがとう

君から君へ あなたからあなたへ”



 つい先日に行われた30周年を記念したライブ、「半世紀へのエントランス」のファイナルに収録された映像です。この曲はアニバーサリーツアーではファンへの感謝を伝えてくれる曲としてもう定番になってます。半世紀へのエントランスではアンコール前ラストがこの曲で、メンバー全員が大サビからコーラスを歌ってくれて、大泣きしました。ミスチルは普段桜井さん以外のメンバーのコーラスは殆どないんですが、今回は声を出せないお客さんの分まで、しっかり他の3人の声まで聴こえてきてボロ泣きしました🥲🥲🥲🥲🥲6月11日の日産スタジアム、満員70000人の観客が心の中で一緒に最後の「ラララ」を歌った光景を昨日のことのように思い出します。


 ライブ映像のラスサビのとこ、親子がキスしてるシーンが映し出されるの、初めて見た時ガチ泣きした。


 30周年を記念したドキュメンタリー映画の名前も「GIFT for you」、昨年30周年を記念してMステで披露されたのも最新曲「生きろ」とこの曲で、2022年のMステベストパフォーマンスにも選ばれてました。ファンにとっては30周年を象徴するとても思い入れの深い曲です。こんな曲が一位じゃないわけないです。僕の方こそありがとう。







 というわけで、シングル約40曲の中から10曲を厳選して紹介しました。選んでてびっくりしちゃいました、だってHANABIも名もなき詩もinnocent worldもTomorrow never knowsもしるしもsignも抱きしめたいも入らないんですよ。僕がひねくれたどうしようもないファンだからじゃありません、本当に名曲が多すぎる。30年続いてるバンドはやっぱりすごいです。


 シングルより曲数の多い次回以降が思いやられますが、がんばって選びます。最後まで駄文にお付き合いいただきありがとうございました!また次回。

 
 
 

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